いま見ているこの資料集そのものが、スキル化・自動化の実例です
「セミナーのたびに資料を作り直す」「AIの情報が古くなる」という講師自身の困りごとを、資料室(RAG)→ スキル化 → 自動化の順で仕組みにした。人がやるのは「方針を決める」「確かめる」「公開ボタンを押す」の3つだけ。
全体の流れ
主催者と面談人:面談シートで対象・人数・困りごとを聞く
「セミナー構成考えます。」AI:級とコースを提案、音声解説の原稿と配布資料を作る
確かめる人:内容・読み・レイアウトを確認
当日音声解説 → ヒアリング → コース → アンケート(QR)
毎週の点検AI:最新情報の変化を検知して知らせる
4段階のどこで何をしているか
| 段階 | この仕組みでの実物 | 担当 |
|---|---|---|
| ② 資料室(RAG) | この資料集(18本)と「AIの現在地」の記録。出典と「◯年◯月時点」を必ず付ける | クラウドのAIが作り、人が確認 |
| ③ スキル化 | 合言葉「セミナー構成考えます。」:現在地の確認 → 音声解説の原稿(Gemini Notebook用)→ コース決定 → 配布資料(A4・2枚)まで同じ手順で作る 合言葉「AIの現在地更新して」:最新情報をWebで確かめ、古くなった資料を直してプレビューに出す | クラウドのAI(Claude Code) |
| ④ 自動化 | 毎週土曜10時(米国の1週間の発表が出そろった後)、社内の24時間PCでローカルLLMが公式ページの変化・ニュース・リンク切れを調べ、変化の大きさの目安を付けてメールで知らせる | ローカルLLM(社内PC) |
| 関所(人) | ホームページへの公開、資料の書き換えの確定、配布資料の印刷 | 講師 |
自動で作られるもの
配布資料(A4・2枚)
級(初級・中級・上級)とコースを指定するだけで、ヒアリングの質問・コースの時間割・資料QR・アンケートQRが入った配布資料ができる。QRは作った後に読み取り直して、中身が正しいか自動で検証する。
音声解説の原稿
「AIの現在地」の最新記録から、対象者に合わせた原稿とプロンプトを作る。組織名を読ませない、講師の呼び方など、過去の失敗をルールとして組み込み済み。
受講後アンケートの集計
アンケートは1つのフォームを使い回し、セミナーIDで回ごとに集計。研修や個別相談の希望が来たときだけ講師に通知。
実際に役立った場面
週次チェックの初回で「大きな変化」を検知
自動点検を動かした初日、ローカルLLMが公式の料金ページの変化を拾い、「Claude Cowork がチャットと統合されてひとつの Claude になった(2026年9月16日)」ことが分かった。資料のうち古くなっていた5本と配布資料を、その日のうちに直せた。
同時に分かった限界
同じ試験で、ローカルLLMは別の差分を読み違えた要約も出した。だからローカルLLMの役目は「見つけて知らせる」まで。要約には根拠の原文を必ず引用させ、資料を直す判断と公開は人が行う(→ E1・E3)。
この事例から持ち帰れること
- 自分の困りごとから始める:いちばん繰り返している仕事が、最初のスキル化の候補
- 先に「資料室」を整える:出典と日付のそろった資料があれば、AIは毎回同じ品質で組み立てられる
- 役割を分ける:賢さが要る仕事はクラウドのAI、毎週の見張りはローカルLLM、最後の確認と公開は人
- 失敗をルールに変える:読み間違い・古い知識・勝手な公開――起きたことを1つずつ手順書に書き足していく