AIに仕事を任せる前に、まず「場所」を決める
AIエージェントは、開いたフォルダの中を「自分の職場」として働く。資料があちこちに散らばっていると、AIも人も迷う。1つの仕事=1つのフォルダにし、その中に「指示書」「現在地」「決めたこと」を置いておくと、別の日・別の人・別のPCでも同じ品質で続きができる。
基本の置き場所
📁 Projects … 仕事のフォルダはすべてここ(デスクトップや書類フォルダにばらまかない)
📁 clients … お客様の案件
📁 sample-shop … 1案件=1フォルダ(名前は英小文字とハイフン)
📁 self … 自社の仕組み(ホームページ、社内アプリ)
📁 seminar … セミナー
📁 library … 使い回す資料
📁 20261015-sample … 回ごとの台本・配布資料(日付+主催)
1つの案件フォルダの中身
📁 sample-shop
CLAUDE.md … 指示書。薄く書く(目的・置き場所・禁止事項・合言葉)
STATUS.md … 現在地を1枚で(今どこまで進んだか・次にやること)
RAID.md … 未確定・課題・リスク・依存を一覧に
📁 docs
運用ルール.md … この案件の真実源(詳しい決まりはここ)
決定ログ.md … 何を・なぜ決めたか(蒸し返し防止)
用語集.md … お客様の言葉とAIの言葉の対応
📁 data … 実データ(⚠ 外に出さない・バックアップ対象から外す)
.gitignore … 鍵(.env)や実データを保存・共有の対象から外す
それぞれの役割
| ファイル | 役割 | たとえ | 書き方のコツ |
|---|---|---|---|
| CLAUDE.md | AIが最初に読む指示書 | 職場の入口に貼るルール | 1〜2画面に収める。詳しいことは docs/ へのリンクにする |
| STATUS.md | 現在地 | 引き継ぎメモ | 「済んだこと/次の一手/待っていること」だけ。毎回の作業の最後に更新 |
| RAID.md | リスク・課題の一覧 | 気がかり帳 | R(リスク)A(前提)I(課題)D(依存)で分け、閉じたら閉じる |
| 決定ログ | 決めたことと理由 | 議事録の結論だけ | 日付・決めたこと・理由・却下した案。後で「なぜ?」に答えられる |
| 運用ルール | この案件の真実源 | 社内規程 | 個人の記憶に頼らず、フォルダだけで仕事が続けられるように書く |
よくある失敗
指示書が長すぎる
何でも CLAUDE.md に書くと、AIが大事なことを読み落とす。指示書は目次、詳細は docs/ へ。
「最新版」だらけ
「最新版(修正)2.docx」はすぐ嘘になる。日付と版を名前に入れる(→ B2)。
鍵を書いてしまう
パスワードやAPIキーをファイルに書くと、共有やバックアップで漏れる。鍵は金庫に置き、.gitignore で除外する。
混ぜる
2つの案件を1つのフォルダで進めると、AIが別の案件の資料を参照して取り違える。1案件1フォルダ。
変更履歴とバックアップ
- フォルダごと Git(変更履歴の記録)で管理すると、「昨日の状態に戻す」ができる。AIに「保存して」と頼めばよい
- バックアップ先は非公開(プライベート)にする。実データと鍵は除外する
- 「いつの時点の話か」が大事な資料には、更新日を必ず書く
講師の運用
案件を始めるときは、このフォルダ一式のひな形をコピーしてから中身を埋める。ひな形は複数の案件で使ううちに育ってきたもの。立ち上げの最初の30分でここを作っておくと、半年後の自分と、途中から加わる人が迷わない。