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E4Claude Code

Gitの導入と設定:変更履歴という「保存の金庫」

非開発者向け。ターミナルなしで進める:Gitの確認・設定、GitHub(非公開)、保存と戻し方、確認画面で見るべき言葉、守るルール

更新日:2026-10-03(2026年10月時点の情報)|HUMAC 伊藤晴通

対象ツール:Claude CodeGit と GitHub は、どのAIエージェントでも共通です。「Claudeに頼む」「Codeタブ」などの操作は、Claude Code(Claudeのデスクトップアプリの「Code」タブ)の場合です。対象の方:開発者ではない方(経営者・事務・現場の担当者)。プログラミングは不要です。コードは書かず、AIエージェントに頼んで、自分の業務アプリをつくるところまでを、順に進めます(ターミナルの黒い画面は、使わない形で書いています)。
Gitとは、「セーブポイント」付きの保存機能

ゲームのセーブポイントのように、仕事のフォルダの「ある時点の状態」を、何度でも保存できる仕組み。あとから「昨日の状態に戻す」「いつ、何を変えたか見る」ができる。そして、保存したものをインターネット上の「貸金庫」(GitHub)にも預けておけば、パソコンが壊れても、別のパソコンでも、続きができる。

難しい操作は要らない。ターミナル(黒い画面)は、開かなくてよい。この資料は、Claudeに頼むか、画面のボタンだけで進められる形で書いてある。E1で作った仕事のフォルダを、ここで「保存できる状態」にする。

1. なぜ、AIエージェントにGitが要るのか

AIが壊しても、戻せる

AIは、ファイルを書き換えたり、消したりする。保存した時点には、いつでも戻れる。安心して任せられる。

「いつ・何を」が分かる

AIが何を変えたかを、履歴で確認できる。引き継ぎや、あとからの確認にも使える。

バックアップになる

貸金庫(GitHub)に預けておけば、パソコンの故障や紛失から守れる。別のPCにも、そのまま移せる。

並行して作業できる

Claudeのデスクトップアプリで、複数のセッションを、それぞれ独立した作業コピーで動かすには、Gitが必要(公式)。

AIの「巻き戻し」機能は、Gitの代わりにならない

Claude Code にも、AIの編集を取り消す機能(チェックポイント)がある。ただし戻せるのは、AIが直接編集したファイルだけ。コマンドで消したファイルや、外部への操作は戻せず、保存期間も限られる(約30日)。長く残す履歴は、Gitで持つ(公式の説明)。

2. 3つの段階:まずは①だけでもよい

段階できること用意するもの目安ターミナル
① PCの中に保存する昨日の状態に戻せる。履歴が残るGit約15分不要(Claudeに頼む)
② 貸金庫(GitHub)に預けるバックアップ。別のPCで続きができるGitHubのアカウント、GitHub Desktop+約20分不要(ボタンで操作)
③ 「保存して、金庫に送って」と頼めるようにする終わりの合言葉に、保存と送信まで含められるGitHub CLI(gh)でのログイン+約10分任意(Claudeに頼めば、操作は案内される)

おすすめは、①と②。③は、慣れてから。勉強会・サロンでは、①②を実際にやる。

3. 準備の手順

手順1:Gitが入っているか確認する(①)

ClaudeのデスクトップアプリのCodeタブで(まだなら、先に A4:契約と最初の設定)、仕事のフォルダを選び、次のように頼む。

このパソコンで、Git が使える状態か確認してください。使えなければ、私のパソコン(MacかWindowsか)に合わせて、入れ方を1手順ずつ、やさしく教えてください。
パソコン入れ方(Gitの公式の案内)
MacほとんどのMacには、最初から入っている(Claudeの公式ドキュメントの説明)。入っていないときは、Macが「開発者ツールをインストールしますか」と案内を出すので、「インストール」を押して、終わるまで待つ(Gitの公式が、いちばん簡単な方法として案内している)
WindowsGitの公式サイト(git-scm.com)から、「Git for Windows」のインストーラーをダウンロードして実行する。迷ったら、設定は初期のまま「Next」で進めてよい

手順2:最初の設定(名前とメールアドレス)

Gitは、保存のたびに「誰が保存したか」を記録する。最初に、名前とメールアドレスを1回だけ設定する。

Git の最初の設定をしてください。名前は〔あなたの名前〕、メールアドレスは〔使っているメールアドレス〕です。設定したあと、設定が合っているか確認して、結果を見せてください。
参考:Claudeがやっていること

Gitの最初の設定は、git config --global user.name "名前" と git config --global user.email メールアドレス の2つ(Gitの公式の手順)。自分で打ちたい人は、この2行をターミナルに入れてもよい。名前とメールは、保存の履歴に載る。だから、保存先は必ず非公開にする(後述)。

手順3:仕事のフォルダを、Gitで保存できる状態にする(①)

先に、「入れてはいけないもの」を決める。鍵・パスワード・実データ・個人情報は、保存の対象から外す(D1)。この除外リストが「.gitignore」というファイル。

この仕事のフォルダを、Git で保存できる状態にしてください。 先に .gitignore を作ってください。次のものは、保存の対象から外します:鍵・パスワード(.env など)、data フォルダ(実データ)、パソコンが勝手に作る不要なファイル(.DS_Store など)。 作ったら、保存の対象になっているファイルの一覧を見せてください。私が確認してから、最初の保存をします。
.gitignore に入れる例理由
.env .env.* *.key *.pem鍵・パスワード。入れると、金庫から漏れる
data/実データ(個人情報・決算書など)
.DS_Store Thumbs.dbパソコンが自動で作る不要なファイル
動画・大きな画像のフォルダ大きなファイルは、金庫に向かない

手順4:最初の保存(①)

いまのフォルダの状態を、最初の保存として記録してください。保存の説明は「最初の保存:指示書と現在地ファイル」にしてください。保存したあと、保存の履歴を見せてください。

これで、「セーブポイント」が1つできた。以後は、「保存して」と頼むだけ。保存の説明(コミットメッセージ)は、日本語でよい。「何を変えたか」を一言で書く。

手順5:貸金庫(GitHub)を用意する(②)

アカウントを作るgithub.com で、無料のアカウントを作る。二段階認証を有効にしておくと安心
GitHub Desktop を入れるdesktop.github.com から入れる(無料。ボタンで操作できるアプリ)。「Sign into GitHub.com」でログイン
フォルダを追加するメニュー「File」→「Add local repository」で、仕事のフォルダを選ぶ(ドラッグでも追加できる)
金庫に預ける(公開)画面の「Publish repository」から、GitHubに作る。必ず「非公開(Private)」を選ぶ
いちばん大事:必ず「非公開」にする

「公開」にすると、世界中の誰でも中身を見られる。仕事のフォルダは、すべて非公開。預ける前に、画面の「非公開(Private)」の選択を、毎回、目で確認する(ボタンの名前は、アプリの版で変わることがある)。

預けたあとは、GitHub Desktop の画面に、変更されたファイルの一覧が出る。保存は「Commit」ボタン、金庫に送るのは「Push origin」ボタン。まずは、この2つのボタンだけ覚えればよい。

手順6(任意):Claudeに「保存して、金庫に送って」と頼めるようにする(③)

慣れたら、Claudeが金庫への送信までやれるようにできる。GitHubの公式コマンドラインツール「gh」を入れて、1回だけログインする。

GitHub CLI(gh)が使える状態か確認してください。入っていなければ、私のパソコンに合う入れ方を1手順ずつ教えてください。入ったら、GitHub へのログインを、ブラウザで行う方法で案内してください。ログインが終わったら、ログイン状態を確認してください。

4. 毎日の使い方:終わりの合言葉に入れる

E1の「終わりの合言葉」に、保存を入れる。これで、毎回の作業の最後に、現在地・決めたこと・保存が、まとめて残る。

今日の作業を締めます。STATUS.md を更新し、決めたことと理由を docs/決定ログ.md に追記してください。そのあと、変更を保存してください(保存の説明は、今日やったことを一言で)。保存した内容の一覧を見せてください。

(③まで設定した人は、最後に「金庫にも送ってください」を足す。②だけの人は、GitHub Desktop の「Push origin」を押す。)

5. 戻したいとき:「見る」→「戻す」の順で

いきなり戻さない。先に、何が変わるかを見てから、戻す。

やりたいことClaudeへの頼み方
AIがさっき直した所を、取り消したい「さっきの変更を、すべて取り消してください。取り消す前に、どのファイルがどう変わるか教えてください」
昨日の状態を、見たい「保存の履歴を、新しい順に10件、日付と説明で見せてください」→「〇日の保存のときの、〔ファイル名〕の中身を見せてください」(見るだけで、何も変えない)
昨日の状態に、戻したい「いまの状態を、先に保存してください」→「〇日の保存の状態に戻したい。戻す前に、変わるファイルの一覧を見せてください。私が確認するまで、実行しないでください」
消してしまったファイルを、復活したい「保存の履歴から、〔ファイル名〕を探して、元の場所に復元してください」

GitHub Desktop の「History」タブでも、保存の履歴を一覧で見られる。

6. Claudeの確認画面で、見るべき言葉

Claudeがコマンドを実行する前に、実行する内容が確認画面に出る(最初の設定の「確認あり」のとき)。コマンドの意味は、読めなくてよい。ただし、次の言葉があったら、承認せず、「これは何をするものですか?本当に必要ですか?」と聞く。

確認画面の言葉意味どうする
rm、delete、cleanファイルを消す消す対象を聞く。消さずに、退避フォルダへ(E1)
--force、-f確認を飛ばして、強引に実行する原則、承認しない。理由を聞く
reset --hard、checkout .、restore .保存していない変更を、捨てて戻す捨てられる内容を、先に確認する
push と --force の組み合わせ金庫の履歴を、書き換える承認しない
public(公開)金庫を、世界に公開する承認しない。必ず非公開

7. 守るルール(E2の「関所」)

  1. 金庫は、必ず非公開。
  2. 鍵・パスワード・個人情報・実データは、保存しない(.gitignore で除外。鍵の置き場所は E6)。間違えて入れてしまったら、履歴から消すだけでは足りない。その鍵を、すぐ無効にして、新しいものに入れ替える(講師の約6万8千円の事故の教訓。E2)。
  3. 履歴を書き換える・消す操作は、AIに任せない(上の表)。迷ったら、人が判断する。
  4. 保存の前に、中身を見る。「何が保存の対象になっているか」の一覧を、毎回、軽く眺める。
  5. 大きなファイル(動画など)は、入れない。

8. 用語のやさしい説明

用語やさしく言うと
Git変更履歴を残す仕組み(セーブ機能)。自分のパソコンの中で動く
GitHubGitで保存したものを預ける、インターネット上の貸金庫
リポジトリGitで管理しているフォルダ(保存の履歴つきの仕事フォルダ)
コミット(保存)セーブポイントを1つ作ること。説明を添える
プッシュ(金庫に送る)保存したものを、GitHubに預けること
プル(金庫から取る)GitHubにある最新の状態を、自分のパソコンに取り込むこと
ブランチ履歴の枝分かれ。最初は、1本(main)だけで十分
ワークツリー同じ仕事フォルダの、独立した作業コピー。複数のセッションを並行して動かすとき
.gitignore「保存の対象にしないもの」の除外リスト

9. ターミナルを使う場面のまとめ

場面ターミナル代わりの方法
Gitの確認・設定・保存・履歴の確認・戻す不要Claudeに頼む
金庫に預ける、変更を送る不要GitHub Desktop のボタン
Claudeに、金庫への送信まで頼む(③)任意Claudeに、ghの導入とログインを案内してもらう(ログインはブラウザ)

ターミナルの操作に慣れた人向けの確認方法として、git --version(Gitが入っているか)、git status(いまの状態)、git log --oneline(保存の履歴)がある。

講師の実例
  • 設定ファイル・手順書(スキル)・記憶のファイルを、非公開の金庫に、毎日自動で保存している。
  • 保存の対象は「入れるものだけを許可する」形の除外リストにして、鍵や会話の記録が入らないようにしている。
  • 作業の最後は「締めます」の一言で、記録・保存・バックアップまで、まとめて行う。
  • Git はもともと開発者の道具だが、「保存して」「金庫に送って」と頼むだけで、非開発者でも使える。

10. はじめての日のチェックリスト

☐確認すること
☐Gitが使える状態になった(Claudeに確認してもらった)
☐名前とメールアドレスを設定した
☐.gitignore を作り、鍵・実データが除外されている
☐最初の保存ができた。履歴に1件出ている
☐GitHubのアカウントを作った(二段階認証つき)
☐金庫に預けた。非公開(Private)になっている
☐終わりの合言葉に、保存を入れた
☐「見る→戻す」の順を、1回練習した(ファイルを1つ直して、取り消してもらう)

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