RAG(ラグ)とは
RAG=検索拡張生成(Retrieval-Augmented Generation)。AIに「資料室」を持たせ、答える前に資料を調べ、その内容を根拠に答えさせる仕組み。
ふつうのAI=記憶で答える物知りな人
- インターネット全体から学んだ記憶で答える
- 知らないことも、もっともらしく答えてしまう(ハルシネーション)
- あなたの会社・地域・最新の公募要領は知らない
RAG=棚から資料を出して答える司書
- 登録した資料だけを調べて答える
- 「どの資料の、どこに書いてあるか」を指さして示す(出典)
- 資料にないことは「書いていない」と答える
RAGの価値は「答えないこと」にある
補助金・制度・社内ルールのように「根拠はどこか」が問われる仕事では、それらしい作り話は致命的。棚にない本を「ない」と言える司書こそ、専門職の相棒になる。
Gemini Notebook(旧NotebookLM)で体験する
プログラムなしで、誰でもRAGを体験できる道具。Googleアカウントがあれば無料で使える。
ノートブックを作るnotebooklm.google(Geminiアプリからも開ける)
資料を入れるPDF・Word・Webページ・音声・動画など(無料で1ノート50資料)
質問する答えの中の番号をクリックすると、根拠の箇所が開く
共有する職場の仲間に共有すれば、全員が同じ根拠で答えられる
例:補助金の「公募要領係」をつくる
入れる資料:最新の公募要領、よくある質問集、申請様式、(あれば)過去の公募要領
この補助金の「補助対象経費」と「対象外経費」を一覧表にしてください。それぞれ根拠となる記載箇所も示してください。
前回の公募要領から変わった点を、事業者に影響が大きい順に5つ挙げてください。
相談内容が補助対象になりそうか、一次判定する
事業者から次の相談がありました。この補助金の対象経費になりそうか、根拠となる記載と一緒に答えてください。判断できない場合は「資料からは判断できない」と答えてください。
相談内容:店舗の看板を新しくして、集客を増やしたい。
| 試してみる相談例 | 見どころ |
|---|---|
| 店舗の看板を新しくしたい | 対象になりうる経費の区分と条件が、根拠付きで出るか |
| ネット販売用のホームページを作りたい | 上限や条件(割合の制限など)まで拾えるか |
| 中古の軽トラックを買いたい | 対象外の可能性を、根拠付きで答えられるか(汎用品・車両の扱い) |
最終判断は人がする
AIは「根拠のページを素早く探す係」。迷うものは公募要領の本文と事務局で確認する。公募回ごとに要領は変わるので、ノートブックの資料は必ず最新版に入れ替える。
RAGの限界:Gemini Notebook は「調べて答える」まで
- 自分から仕事を始めない(毎回、人が質問しに行く)
- 書類を作ってフォルダに保存したり、メールの下書きを作って次の作業に渡したりはしない
「決まった手順の仕事を、毎回同じ品質で、できれば自動で」こなすには、AIエージェント(A3)の出番になる。まずGemini NotebookでRAGを体で理解し、業務によってはAIエージェントまで使いこなす――これが仕組み化の道筋。
データの扱い(個人アカウントの注意)
Gemini Notebookは登録した資料をAIの学習に使わない。ただし個人のGoogleアカウントで回答に👍👎を押すと、その会話と資料が人の確認に回り、最長3年保存される。会員・顧客の情報を入れるなら、Google Workspace のアカウントで使う(→ D1)。