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B1b

RAG:資料を根拠に答えさせる

中級:AIに「資料室」を持たせ、資料を根拠に答えさせる(Gemini Notebook)

更新日:2026-10-03(2026年10月時点の情報)|HUMAC 伊藤晴通

このページの位置づけ

RAG(中級):頼み方に「根拠にする資料」を足すと、AIは資料を指さしながら答えるようになる。頼み方の基本は B1a AIへの頼み方の基本(初級)。

スマホでQRを読み取ると、そのままAIが開きます(ログインはご自身のGoogleアカウント等で)
アプリ版(App Store/Google Play)を入れておくと、次からはアプリで開けます。

1. RAG(ラグ)とは

RAG=検索拡張生成(Retrieval-Augmented Generation)。AIに「資料室」を持たせ、答える前に資料を調べ、その内容を根拠に答えさせる仕組み。

ふつうのAI=記憶で答える物知りな人

  • インターネット全体から学んだ記憶で答える
  • 知らないことも、もっともらしく答えてしまう(ハルシネーション)
  • あなたの会社の規程・取引先との取り決め・最新の制度は知らない

RAG=棚から資料を出して答える司書

  • 登録した資料だけを調べて答える
  • 「どの資料の、どこに書いてあるか」を指さして示す(出典)
  • 資料にないことは「書いていない」と答える
RAGの価値は「答えないこと」にある

制度・契約・社内ルールのように「根拠はどこか」が問われる仕事では、それらしい作り話は致命的。棚にない本を「ない」と言える司書こそ、専門職の相棒になる。

2. Gemini Notebook(旧NotebookLM)で体験する

プログラムなしで、誰でもRAGを体験できる道具。Googleアカウントがあれば無料で使える。

ノートブックを作るnotebook.google.com(旧 notebooklm.google.com から自動で移動。Geminiアプリからも開ける)
資料を入れるPDF・Word・Webページ・音声・動画など(無料で1ノート50資料)。スマホは「共有」から追加できる(→ 7)
質問する答えの中の番号をクリックすると、根拠の箇所が開く
共有する職場の仲間に共有すれば、全員が同じ根拠で答えられる

3. 例:資料室の「◯◯係」をつくる

自社の資料(就業規則・マニュアル・取扱説明書・見積書の雛形など)で作るのが本番。ここでは、誰でも手に入る公開資料として補助金の公募要領で体験する(どの業種の会社も対象になりうる制度で、内容が長く、根拠探しの練習に向いている)。

入れる資料:最新の公募要領、よくある質問集、申請様式、(あれば)過去の公募要領

試しに使える資料:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回(商工会地区)

出典:小規模事業者持続化補助金事務局(商工会地区)。商工会議所地区の方は 商工会議所地区の事務局サイト から。公募回ごとに版が変わるので、使う前に最新版か確かめてください。

スマホなら「共有」から、そのまま Gemini Notebook に入れられる

Gemini Notebook のアプリ(iPhone・Android)を入れておくと、PDF・Webページ・YouTube をダウンロードしてパソコンに移さなくても、スマホの「共有」ボタンからソースとして追加できる。

アプリを入れるApp Store/Google Play で「Gemini Notebook」。Googleアカウントでログイン
資料を開く上の「公募要領をダウンロード」を押すか、紙ならQRを読み取ってPDFを開く(Webページのままでもよい)
共有 → Gemini Notebook画面の共有ボタン(□に↑、または<)を押し、一覧から Gemini Notebook を選ぶ
ノートを選ぶ「新しいノートブック」を作るか、既存のノートを選んで追加。すぐ質問できる
パソコンなら

PDFをダウンロードして、Gemini Notebook の「ソースを追加」にドラッグする。または「ウェブサイト」を選んで、上のページのURLを貼り付ける(PDFを保存しなくても追加できる)。

この補助金の「補助対象経費」と「対象外経費」を一覧表にしてください。それぞれ根拠となる記載箇所も示してください。
前回の公募要領から変わった点を、自社への影響が大きい順に5つ挙げてください。

自社の計画が補助対象になりそうか、一次確認する

次の取り組みを考えています。この補助金の対象経費になりそうか、根拠となる記載と一緒に答えてください。判断できない場合は「資料からは判断できない」と答えてください。 取り組み:店舗の看板を新しくして、集客を増やしたい。
試してみる例見どころ
店舗の看板を新しくしたい対象になりうる経費の区分と条件が、根拠付きで出るか
ネット販売用のホームページを作りたい上限や条件(割合の制限など)まで拾えるか
中古の軽トラックを買いたい対象外の可能性を、根拠付きで答えられるか(汎用品・車両の扱い)
最終判断は人がする

AIは「根拠のページを素早く探す係」。迷うものは公募要領の本文と、事務局・専門家に確認する。公募回ごとに要領は変わるので、ノートブックの資料は必ず最新版に入れ替える。

4. RAGの限界:Gemini Notebook は「調べて答える」まで

「決まった手順の仕事を、毎回同じ品質で、できれば自動で」こなすには、AIエージェント(A3)の出番になる。まずGemini NotebookでRAGを体で理解し、業務によってはAIエージェントまで使いこなす――これが仕組み化の道筋。

データの扱い(個人アカウントの注意)

Gemini Notebookは登録した資料をAIの学習に使わない。ただし個人のGoogleアカウントで回答に👍👎を押すと、その会話と資料が人の確認に回り、最長3年保存される。お客様・取引先の情報を入れるなら、Google Workspace のアカウントで使う(→ D1)。会社の共有ドライブを資料室にする方法は、W2 の5章。