RAG(中級):頼み方に「根拠にする資料」を足すと、AIは資料を指さしながら答えるようになる。頼み方の基本は B1a AIへの頼み方の基本(初級)。
1. RAG(ラグ)とは
RAG=検索拡張生成(Retrieval-Augmented Generation)。AIに「資料室」を持たせ、答える前に資料を調べ、その内容を根拠に答えさせる仕組み。
ふつうのAI=記憶で答える物知りな人
- インターネット全体から学んだ記憶で答える
- 知らないことも、もっともらしく答えてしまう(ハルシネーション)
- あなたの会社の規程・取引先との取り決め・最新の制度は知らない
RAG=棚から資料を出して答える司書
- 登録した資料だけを調べて答える
- 「どの資料の、どこに書いてあるか」を指さして示す(出典)
- 資料にないことは「書いていない」と答える
制度・契約・社内ルールのように「根拠はどこか」が問われる仕事では、それらしい作り話は致命的。棚にない本を「ない」と言える司書こそ、専門職の相棒になる。
2. Gemini Notebook(旧NotebookLM)で体験する
プログラムなしで、誰でもRAGを体験できる道具。Googleアカウントがあれば無料で使える。
3. 例:資料室の「◯◯係」をつくる
自社の資料(就業規則・マニュアル・取扱説明書・見積書の雛形など)で作るのが本番。ここでは、誰でも手に入る公開資料として補助金の公募要領で体験する(どの業種の会社も対象になりうる制度で、内容が長く、根拠探しの練習に向いている)。
入れる資料:最新の公募要領、よくある質問集、申請様式、(あれば)過去の公募要領
出典:小規模事業者持続化補助金事務局(商工会地区)。商工会議所地区の方は 商工会議所地区の事務局サイト から。公募回ごとに版が変わるので、使う前に最新版か確かめてください。
スマホなら「共有」から、そのまま Gemini Notebook に入れられる
Gemini Notebook のアプリ(iPhone・Android)を入れておくと、PDF・Webページ・YouTube をダウンロードしてパソコンに移さなくても、スマホの「共有」ボタンからソースとして追加できる。
PDFをダウンロードして、Gemini Notebook の「ソースを追加」にドラッグする。または「ウェブサイト」を選んで、上のページのURLを貼り付ける(PDFを保存しなくても追加できる)。
自社の計画が補助対象になりそうか、一次確認する
| 試してみる例 | 見どころ |
|---|---|
| 店舗の看板を新しくしたい | 対象になりうる経費の区分と条件が、根拠付きで出るか |
| ネット販売用のホームページを作りたい | 上限や条件(割合の制限など)まで拾えるか |
| 中古の軽トラックを買いたい | 対象外の可能性を、根拠付きで答えられるか(汎用品・車両の扱い) |
AIは「根拠のページを素早く探す係」。迷うものは公募要領の本文と、事務局・専門家に確認する。公募回ごとに要領は変わるので、ノートブックの資料は必ず最新版に入れ替える。
4. RAGの限界:Gemini Notebook は「調べて答える」まで
- 自分から仕事を始めない(毎回、人が質問しに行く)
- 書類を作ってフォルダに保存したり、メールの下書きを作って次の作業に渡したりはしない
「決まった手順の仕事を、毎回同じ品質で、できれば自動で」こなすには、AIエージェント(A3)の出番になる。まずGemini NotebookでRAGを体で理解し、業務によってはAIエージェントまで使いこなす――これが仕組み化の道筋。
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